Instagram、写真投稿に日米韓でインプレッション報酬 最大400万円
【東京総合 = テクノロジー】Meta傘下のInstagramが、写真投稿に対してクリエイターに報酬を支払う新たな報酬プログラムをテストしていることがわかった。Buiness insiderが3日、報じた。

同社は現在、リール(短尺動画)や写真カルーセル、単体の写真投稿に対するエンゲージメント(ユーザーの反応)に応じて報酬を支払う季節限定のボーナスプログラム「Spring Bonus」をテストしている。招待制で、米国、日本、韓国のクリエイターが対象となっている。
以前Instagramは、クリエイターの投稿した動画の再生回数に応じて報酬を支払う「Reels Play Bonus」を提供していたが、2023年3月に終了した。今回の新プログラムでは上限が設けられており、30日間で最大3万ドル(約400万円)が支払われる例もあるという。
ただし、ブランドコンテンツやコラボ投稿、TikTokなど他プラットフォームのウォーターマークが入った投稿は対象外だ。
ミームクリエイターのジャクソン・ワイマー氏は3月30日にSpring Bonusに参加。4日間で推定70ドル(約9500円)の収益を得たという。また、@grippingfoodwithforceを運営するマイク・ポッター氏は3月29日に通知を受け取り、4月4日時点の推定収益は58ドル(約7900円)。広告1000回の表示あたりの収益を示すCPMは0.16ドル前後とみられる。
Instagramはこのほか、ライバルのTwitterに対抗する「Threads」での投稿に対しても、エンゲージメントに応じた報酬を支払うプログラムを実施中だ。
昨年10月には同社のアダム・モッセリCEOが、クリエイターイベントで報酬プログラムの復活を示唆。日本と韓国での新たなテストを経て、プログラムを再考していると語っていた。
一方、ライバルのTikTokは写真投稿の奨励に力を入れている。プッシュ通知で「写真投稿は動画より平均1.9倍のいいね、2.9倍のコメントを獲得」と訴求。独立した写真アプリの立ち上げも計画中とされる。
Instagramは一時TikTokの躍進に苦戦したが、最近は巻き返しに成功している。2023年の世界でのダウンロード数はTikTokを上回り、前年比20%増。一方TikTokは同4%増にとどまり、DAU(デイリーアクティブユーザー)の伸びも頭打ちとなっている。
Xの台頭にも危機感がある。Threadsの展開を開始してからもXのユーザー数は右肩上がりを続けており、同様に収益分配機能の強化なども行なってきた。
写真共有の元祖としてのInstagramが、写真投稿への注力を強めることで、さらなる成長を目指そうとしている。一方で、クリエイター報酬によるコスト増をどう吸収するかも課題となる。
広告収入が収益の大半を占める無料アプリから、クリエイター報酬をテコに一部有料化を進める動きは、SNSのあなたな火種となる。AIの台頭で膨大なコンテンツ生成コストがかかる時代、無料モデルの限界が指摘される中、Instagramの新たな一手は大きな注目を集めそうだ。