公取委、巨大IT規制法案で課徴金20%以上 4月中の法案提出目指す
【東京総合 = テクノロジー、経済】読売新聞は14日付朝刊で、公正取引委員会が策定を進める巨大IT(情報技術)企業への新たな規制法案で、違反企業への課徴金を売上高の20%以上とする方針だと報じた。現行の独占禁止法における水準の3倍以上となる厳しい内容で、デジタル市場での独占を防ぐ姿勢を鮮明にする。
新法案は、米Appleや米Googleなど、スマホOSを提供する巨大IT企業が対象となる。アプリストアの運営や決済システムの独占を禁じるほか、自社サービスを優遇するような行為も規制する。公取委は、こうした企業による競争阻害行為を未然に防ぐため、課徴金制度を大幅に強化する考えだ。
具体的には、違反行為で得た売上高の20%以上を課徴金として徴収する。独禁法の現行ルールでは売上高の6%が上限だが、新法案ではその3倍を超える水準に引き上げる。さらに、違反を繰り返した場合は最大30%まで課徴金率を引き上げるという。
この方針について、公取委は近く政府与党に条文案を示す予定だ。4月中の国会提出をめざす。海外に目を向ければ、欧州連合(EU)でも、巨大IT企業に指定された「ゲートキーパー」に厳しい規制をかける「デジタル市場法(DMA)」が導入されている。DMAでは、違反企業に対し、世界総売上高の最大10%、繰り返し違反には最大20%の制裁金を科すことができる。公取委の法案は違反行為に対する20%の課徴金となるため、DMAと比較すると巨大ITの負担は軽いと見られる。
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米国でも、連邦政府がAppleやGoogle、Meta、Amazonなど巨大IT企業への法的措置を相次いで講じている。日本でも、デジタル市場の公正な競争環境の確保に向け、GAFAMと呼ばれる巨大IT企業への規制が強化される見通しだ。新法の制定で、企業によるルール違反には厳正に対処する枠組みが整うことになる。