アニメ市場、4兆円突破の公算 最新統計30日発表、円高の影響に注目(2026)

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【東京本局 = エンターテインメント】日本動画協会(AJA)は、東京国際映画祭(TIFF)と併催されるTIFFCOMで2025年のアニメ市場規模を公表すると発表した。2025年は長く続いた為替円安が小休止となり、前年比で1%の円高になった。海外売上をドライブしてきた円安効果のはく落が顕在化するかが注目される。

 TIFFCOM(28ー30日)はTIFFと併催されるビジネスイベントで、今年は東京産業貿易センター(東京・浜松町)で開催される。30日の午後1時半からアニメ産業レポートの編集統括を務める長谷川雅弘氏などがセミナーに登壇し、25年のアニメ市場規模の速報値を公表する。

 前年10月に発表された24年のアニメ市場は前の年比14%増の3兆8407億円と、事前の当サイト予想(3兆8000億円強)に一致した。うち海外市場が同26%増の2兆1702億円と大きく拡大した。為替円安の効果を除いたドル建てでみても16%増の143.3億ドルと2年連続で過去最高を更新した。市場全体に占める海外の比率は56%とこちらも過去最高を更新し、6割に迫った。国内市場が頭打ちとなる中で、海外が市場全体をけん引した。

 しかし、為替円安が海外の伸びを実勢以上に大きく見せている懸念は拭えない。2020年比では円安が6404億円のかさ上げ要因となっている。

 QUICK・日銀のデータによると、25年は円が対ドルで5年ぶりの円高となった。月末ベースの平均為替レートは2円15銭(1.4%)高い149円67銭だった。前の年比で約300億円の押し下げ要因となる。1572億円押し上げていた24年からマイナスに転換する。

 経済産業省は今年4月までにこれまで非公開としていたアニメの海外売上目標を明らかにした。従来は「コンテンツ産業全体で20兆円」としていたが、そのうち6兆円をアニメによる売上とする。24年の2.1兆円から3倍に拡大させる。目標達成を占う上で為替円高のリスクは大きい。その意味で25年の伸び率には耳目が集まる。

 各調査を点検すると、国内市場は今年も拡大を続けたとみられる。この間、海外市場の盛り上がりは継続しており、国内と海外を合算したアニメ市場規模は4兆円の大台を突破して、4兆1000億円前後だった可能性がある。

 上場企業の動向を点検すると、東映アニメ(4816)は海外での版権売上が26年3月期(前期)に前の期比3%伸びた。海外向けの映像販売は同10%減った。前年に好調だった反動が出た。

 東宝(9602)によると、26年2月期(前期)のTOHO animation事業の売上高は前の期比15%減の468億円だった。前の期に好調だった『ハイキュー!!』などのグッズ販売の反動が出た。そのうち海外は同トントンの177億円だった。

 ソニーG(6758)によると、国内最大のアニメ事業会社アニプレックスの26年3月期(前期)の売上(国内・海外の合算)は前の期比45%増と大幅な増収となり、2115億円だったようだ。最終損益は310億円の黒字だった。『鬼滅の刃』の続編映画が大ヒットとなり、業績を押し上げた。

 カドカワ(9468)によると、アニメ・実写映像事業の売上高は5%減の482億円だった。

 IGポート(3791)によると、26年5月期(前期)の売上高は前の期比3%減の140億円だった。そのうち版権事業の売上高は同43%減の22億円、映像制作業は同10%増の81億円だったようだ。商品事業では11億円の売り上げを計上した。連結子会社プロダクション・アイジーの売上高は同14%減の60億円、ウィットスタジオの売上高は同24%増の56億円だった。

 昨年は紹介した非上場企業の売上高動向は現時点では掲載しない。

 国内市場について、当サイトの試算では、円盤市場が前年比3割減と大きく縮小した。イベント市場は動員数が順調に伸びたほか、チケット代の高騰も相まって同8%増の453.7億円だったようだ。映画の興行収入は同3割増と過去最高を更新し、1000億円の大台を挟む動きとなったようだ。キャラクター市場は同3%ほど拡大し1.7兆円強だったみたいで、アニメ商品はヒット作品に支えられて好調に推移したと考えられる。引き続き注目される音楽市場では、ORICONによると国内の音楽売上が同7%増の6410億円だった。このうちアニメに分類される楽曲数が増加すれば統計上では市場の急拡大が見込める。

 狭義のアニメ市場(制作スタジオ売上高)にも注目だ。人手不足に起因する制作費の高騰もあり、引き続き成長が期待される。帝国データバンク(東京・港)によると、アニメ制作スタジオ304社の24年度の売上高は前の年比9%増の4065億円(合算)だった。そのうち、狭義のアニメ市場と近い動きをする元請・グロス請けの一社当たり売上高は11%増だった。

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