東アニが続伸 「フジHDが政策保有株1000億円売却」も
namiten
【東京本局 = 東証】(スタンダード、コード4816、11時)東映アニメーションが続伸している。一時、前週末比190円(5.7%)高い3485円をつける場面がある。同社は前週末16日、26年3月期(今期)の連結純利益が前期比19%減の191億円になりそうだと発表した。QUICKコンセンサス(8社)の227億円を15%下回ったことから朝方は売りが先行した。ただ今期減益は親会社東映(プライム、コード9605)の決算である程度織り込まれていたほか、「期初予想は酷く保守的な傾向がある」(市場関係者)との見方もあり、目先の不透明感の解消や生成AIの活用による利益成長期待から買われている。
25年3月期 | 市場予想 | 会社計画 | |
売上高 | 1008億円 | 995億円 | 880億円 |
前期比/予想比 | +13.7% | -1.2% | -11.6% |
営業利益 | 324億円 | 312億円 | 260億円 |
前期比/予想比 | +38.8% | -3.5% | -16.8% |
純利益 | 236億円 | 227億円 | 191億円 |
前期比/予想比 | +25.7% | -3.8% | -19.1% |
前期に好調だった海外向けの配信事業が反動で下振れる。前期比で円相場が対ドルで上昇することも重荷になる。売上高は同12%減の880億円、営業利益は同19%減の260億円になる見通しだ。
同社をめぐっては経営問題に揺れるフジHD(プライム、コード4676)が16日、「28年3月期までに政策保有株式を1000億円超売却し株主還元に充てる」と発表した。フジHDは現時点で東証上場の8社、時価1570億円を政策保有株を保有している。そのうち東アニは595億円を占めて最も大きい。「発行済みの8%を握る大株主で株価への影響は避けられない」(同)とみられるが、現時点で材料視する動きは限られている。生成AIの活用例に関する炎上も、現在は特段取り上げる動きは見られない。
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