ソニーG、今期純利益12%減 米関税が1000億円重荷に
【東京本局 = 東証】(プライム、コード6758、連結)ソニーグループは14日、26年3月期(今期)の継続事業ベースの連結純利益が前期比12%減の9300億円になりそうだと発表した。QUICKコンセンサス(18社)の1兆1436億円を18%下回り、市場予想の最低1兆250億円(野村證)も下回った。米国の関税政策変更による影響で利益を1000億円程度押し下げる。想定為替レートは1ドル=143円と前期実績から10円程度円高方向に据えた。売上高は同2%減の11兆7000億円、営業利益は微増の1兆2800億円になる見通しだ。

また、今期の年間配当を25円とする方針を取締役会で決議した。従来は未定だった。中間12円50銭と期末12円50銭とし、25年3月期(前期)の実績(分割考慮後で20円)を5円上回る。きょう基準値をもとに算出した年間配当利回りは0.6%となる。
さらに、発行済み株式数(自己株式除く)の1.6%にあたる1億株、金額にして2500億円の自社株買いの実施を決議した。取得期間は5月15日〜26年5月14日。
同日、完全子会社であるソニーフィナンシャルグループ(SFGI)のスピンオフを10月1日付で実行すると発表した。上場先は東証プライム。SFGIの普通株式の80%超をソニー株主に現物配当で分配する。分配割合は当社普通株式1株につきSFGI株式1株とする。現物配当の基準日は9月30日、権利付最終日は9月26日。上場は権利落ち日の9月29日となる予定。スピンオフ後、ソニーグループの持分比率は20%未満となり、SFGIは持分法適用会社となる予定だ。
業績への影響は精査中とした。前期の金融事業の営業利益はグループ全体の1割にあたる1305億円だった。26年3月期の税引き前利益は前期比54%減の600億円を計画する。債券価格の下落で損失を計上する。
あわせて発表した前期の連結決算は、純利益が前の期比17%増の1兆1416億円だった。市場予想の1兆823億円を上回った。ゲーム事業が好調で、利益を押し上げた。売上高は同0.5%減の12兆9570億円、営業利益は同16%増の1兆4071億円だった。
ゲーム事業では、主力ゲーム機PlayStation 5(PS5)の前期販売台数は1850万台となった。今期の販売台数予想については明確な数値の発表はなかった。