トヨタ、国内生産340万台へ 6年ぶり高水準 取引先に通知
【東京本局 = 経済】(プライム、コード7203、21時15分)トヨタはこのほど、年内に国内で生産する目標台数を前年比1割増の340万台に固めた。24年は型式不正の問題で生産が滞ったが、25年には正常化に向かうと見られる。実現すれば19年以来の高水準となり、業績拡大につながる。
一連の型式不正の問題で、24年はプリウスなどが一時リコールや生産停止に追い込まれた。トヨタグループのダイハツは23年の認証不正を受けて、軽販売1位をスズキに明け渡した。
25年は型式不正が解消し正常化に向かうことが予想され、国内生産の目標はレクサスを含んだ数値で1割増の340万台に設定する。24年は推計で310万前後だったと見られる。
26年は25年から8%増、27年は26年比でトントンか微増になる見込みだ。国内で生産された車のおよそ半分は海外に輸出される。
米国は20日、第47代大統領にトランプ氏が就任した。トランプ氏と関係を構築できなければ、日本も強気のディール外交を迫られる可能性がある。トランプ氏は海外製品に一律10%の関税をチラつかせるなど、足元では輸出関連企業は株価に逆風が吹く。トヨタ自動車(0.3%)はトランプ就任初日の21日は寄り付きから高く始まったが、同氏がカナダ・メキシコに関税をかけると発言すると程なくして下げに転じた。
トヨタの足元の業績は販売台数が低調でも底堅さを保っている。QUICKコンセンサスによると、同社が来月5日に発表する24年4〜12月期の連結純利益は、前年同期比1割減の3兆5193億円になる見込みだ。販売台数が落ち込む一方、円安が進んで為替差益が拡大する。販売店に支払うインセンティブ(販売奨励金)を抑えることでコストも抑制する。
トヨタは通期の会社計画を1ドル=147円ではじいている。当サイトが試算した24年4〜12月期の平均為替レートは概算で152.6円と、計画と5.6円ほど乖離がある。同社は1円円安が進むと、営業利益は通期で500億円程度上振れするとしている。会社は今期の連結営業益を前年比2割減の4兆3000億円を見込む。為替なども考慮した市場予想は前年比1割減の4兆7965億円。