東証、今期ガイダンスは減益スタート 決算初週
【東京本局 = 東証】(プライム、コード6501など、11時)決算発表のピークを迎えた東証では、27年3月期(今期)の見通しが減益でのスタートとなった。28日までに今期見通しを開示したプライム上場の86社の最終損益(連結優先)を集計したところ、今期は前期比2%の減益になる。中東情勢の影響で幅広い業種でコストが膨らむ。一方、社数ベースでは増益が56社と多かった。

25年に開催された大阪万博の効果が剥落するJR東海(9022)は前期比2割減の4470億円を見込む。中東情勢の影響を受けるデンソー(6902)は材料費が利益を押し下げ、同13%減の3820億円と3期ぶりの低い水準に落ち込む。コマツ(6301)は競争激化の影響で値上げが難しく、米関税もあって利益率が下がる。構造改革の費用が膨らむ富士通(6702)も最高益から一転減益となる。
好決算に見えても市場予想を下回ったことで株価を下げる企業も多い。アドテスト(6857)が30日発表した今期のガイダンスは最高益を見込むが、市場予想を3%下回った。日立(6501)も同6%の増益を見込むが、市場予想は7%下回った。いずれも翌日の株価は下げて始まった。今期に増益を見込む56社のうち市場予想がある45社を比較すると、市場予想を下回った銘柄が6割を占める。
株価は相互関税が発動した前年4月以降、関税の影響がなくなる今期の大幅増益を織り込んで上昇してきた。市場は東証株価指数(TOPIX)のEPSで10%の増益を見込むが、市場の高い期待に応えられなければ下落に転じる可能性がある。
日銀は28日に発表した4月の展望リポートで、企業収益について「高水準を維持しつつも、交易条件悪化の影響から減少するとみられる」と記し、減益を予想する。中東に原油を依存する日本は中東情勢の影響をもろに受ける。
もっとも、防衛や生成AI関連の銘柄は好決算が目立つ。データセンタに部品を供給するTDK(6762)は28日に発表したガイダンスで、同15%増の2250億円を見込む。市場予想を上回った。同日決算を発表した三菱電機(6503)は同16%増の4645億円になる見通しだ。
半導体では東エレク(8035)やレーザーテク(6920)が今日に決算を発表するほか、連休明けの7日以降は決算発表が本格化する。キオクシア(285A、15日)のガイダンスに注目が集まる。弱い動きが続くゲーム機の任天堂(7974、8日)やソニーG(6758、同)はガイダンスでコスト増の懸念を払拭し、株価反転のきっかけに出来るかが焦点だ。
そのほか、データセンタ関連では古河電(5801、12日)やフジクラ(5803、14日)の決算に耳目が集まる。いずれも市場予想は2ケタの大幅増益を織り込んでいる。住友電設の売却益の反動が出る住友電(5802)は、12日に決算を発表する。市場予想は5%の減益となっている。
日本経済の屋台骨、自動車ではトヨタ(7203、8日)は言わずもがな、苦戦するホンダ(7267、14日)と日産自(7201、13日)のガイダンスにも高い注目が集まる。北米の売上高比率が高く、関税の影響が軽くなるSUBARU(7270、15日)も市場予想が71%の増益と期待が高い。

