アニメの円盤市場、3年ぶり拡大か コロナ禍除けば11年ぶり 当サイト試算
namiten
【東京本局 = エンターテインメント】円盤やOVAなどの売上動向を映す日本アニメの「ビデオ市場」が2024年、3年ぶりに拡大していたことが当サイトの試算で分かった。前年を20億円強上回る385億円前後だったとみられ、コロナ禍の特需で大きく成長した21年以来のプラス成長となった。
日本映像ソフト協会(JVA)の売上実績に、当サイトが統計外の金額を推定して算出した。それによると24年の市場規模は382〜390億円になったようで、アニメ制作会社でつくる日本動画協会(AJA)が毎年発表している「ビデオ市場」の23年実績と比べて5〜7%拡大したもようだ。正式な市場規模はAJAが今秋に発刊する「アニメ産業レポート」に掲載される。
JVAが発表したアニメ関連の24年通年の売上高は前の期比6%増の273億円だった。コロナ禍で特需があった21年以来、3年ぶりに増えた。コロナ禍を除けば、市場規模が拡大するのは13年以来となる。アニメ市場全体が急成長する一方、ビデオ市場はテレビ放送やネット配信に追われて年々規模を縮小し、足元では全盛期の3分の1にまで低迷していたが底打ちの兆しが見え始めた。近年は所有欲を満たす目的からあえて円盤を買う動きも広まっており、付加価値を高められるかが今後を占う。
JVAによると、映像ソフト(DVD・Bluelayなど)市場全体では前の期比15%減った。ジャンルによって強弱が入り混じっており、アニメ以外では邦画やビデオカラオケの売上が増えた一方、音楽や洋画は縮小した。
当サイトは23年の市場規模についても昨年に試算を公開しており、その際は359〜367億円と推計していた。日本動画協会が発表した23年の実績は361.7億円だった。
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