ソニーG、今期純利益1000億円上振れ 4期ぶり最高益

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【東京本局 = 東証】(プライム、コード6758、15時30分)ソニーグループは13日、25年3月期(今期)の連結純利益が、前期比1割増の1兆800億円になりそうだと発表した。従来予想の9800億円から1000億円上振れ、一転して4期ぶりに最高益を更新する。市場予想の1兆292億円も上回る。売上高は同1.4%増の13兆2000億円、営業利益は同1割増の1兆3350億円になる見通しだ。円相場が対ドルで計画以上に上振れ、収益を押し上げる。PS5の値上げで採算が改善し、ゲーム部門の追い風になった。新型の半導体画像センサーをAppleが採用し、映画の不振を補う。

あわせて発表した24年4〜12月期の連結業績は、純利益が前年同期比2割増の9439億円だった。QUICKコンセンサスの8780億円を7%上回った。売上高は8%増の10兆3268億円、営業利益は2割増の1兆2612億円で着地した。微増収減益が見込まれていた10〜12月期も増収増益で着地し、いずれも市場予想を上回った。

Q
24年4〜12月期の業績テーブル
24年4〜12月期業績
前年同期実績市場予想実績
売上高9兆5398億円9兆6766億円10兆3268億円
前年同期比+20.2%+1.4%+1.4%
営業利益9794億円1兆1435億円1兆2612億円
前年同期比-15.3%+16.8%+22.9%
純利益7816億円8780億円9439億円
前年同期比-9.6%+12.3%+20.8%
Q
24年10〜12月期の業績テーブル
24年10〜12月期業績
前年同期実績市場予想実績
売上高3兆7475億円3兆7594億円4兆4096億円
前年同期比+21.7%+1.4%+17.7%
営業利益4633億円4093億円4693億円
前年同期比+9.9%-11.7%+1.3%
純利益3639億円3079億円3737億円
前年同期比+13.2%-15.4%+2.7%

トランプ氏の大統領就任後、鉄鋼・エネルギー産業を中心に関税が上乗せされるとの懸念から製造業の株価は振るわない。日本でも自動車株や鉄鋼が伸び悩んでいる。日経平均は今年8月の暴落以降、レンジ相場を抜け出せていない。

一方、任天堂やカプコン、ソニー、東宝など知的財産(IP)を手がける企業の株価は上昇している。トランプ氏の大統領当選確実が伝えられた11月頭からソニー株は2割伸ばした。任天堂も足元で分割考慮後の最高値圏で推移している。

市場には「エンタメ関連株は関税の影響が比較的少ない」との見方がある。自動車関連株や鉄鋼から資金が流入し、株価を押し上げている。市場の期待に応えられるかが焦点となる。

ソニーGはきょう、25年3月期(今期)の会社計画を上方修正した。ゲーム&ネットワークセグメントは従来予想から250億円上振れし、3550億円になる見通しだ。期初予想からの上振れは600億円になった。実写が不調な映画は減収減益を見込むが、アニメを含む音楽事業は前年比1割増の3400億円を計画する。「製造業からIPを最大限に活用する企業への転換」を掲げるソニーの戦略が活きている。

実写映画の不調は鮮明だ。日本映画製作者連盟によると、24年の国内興行収入ランキングトップ10のうち、実写映画は4タイトルだった。いずれも邦画タイトルで、洋画の実写はトップ10から姿を消した。アニメは6タイトル、うち4タイトルが邦画だった。

アニメ制作を手がける東映アニメーションが先月30日発表した24年4〜12月期の連結純利益は、前年同期比16%増の169億円だった。アニメ「ドラゴンボール」や「ワンピース」の海外配信が伸びた。

配給最大手の東宝は先月14日、24年3〜11月期の連結純利益が前年同期比2割増の341億円だったと発表した。コナンをはじめアニメ関連が収益を押し上げた。人気の続編タイトルが今後配信収入を押し上げ、一層の増益をもたらすとの見方もある。

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