IGポート、サンリオから16億円調達 「キティ」など映像化権獲得

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【東京本局 = 東証】(スタンダード、コード3791、16時30分)IGポートは17日、サンリオと資本業務提携契約を締結したと発表した。第三者割当による自己株式処分で16億円を調達する。処分株式数は92万9100株で、1株当たりの処分価額は1750円。払込期日は7月3日。石川光久社長と同氏の資産管理会社も保有株式7万8900株をサンリオに売却し、サンリオの出資総額は約17億6000万円となる。

サンリオがIGポートに出資する

IGポートは22年5月に23.2万株の自社株買いを実施していた。同社は24年6月に1対4の株式分割を実施しており、調整後の自社株買い数は92.8万株と今回の自己株式割り当てとほぼ同規模になる。自社株買い総額3.46億円から算出した分割考慮後の当時の平均取得金額は373円。今回の割当によるネットの調達金額は12〜13億円程度と見られる。

IGポートは今回の提携で、サンリオが保有する「ハローキティ」など世界的キャラクターIPの映像化権を得た。同社のアニメ制作力と配信網を活用し、サンリオIPの北米・欧州での認知度向上に貢献する。今回の調達資金はサンリオとの共同事業やクリエイター確保、制作インフラの強化に充てる。

IP開発でも協業する。北米市場向けの映像コンテンツを共同制作し、IGポートは海外市場への足がかりを得る。サンリオにとっては自社アニメのキャラクターを活用した商品化事業への参入機会にもなる。

サンリオは向こう10年間の長期経営計画でグローバルIPプラットフォーマーへの転換を掲げる。海外での成長機運が高まっているアニメの内製化が喫緊の課題だった。日本屈指の制作能力を誇るIGポートに出資することで、映像事業への本格参入を果たす。

サンリオの辻社長は「グローバルIPプラットフォーマーを目指す弊社の方針に合致する。両社にとって大きな飛躍の一石となる」と意義を強調した。

IGポートの石川社長は「サンリオのキャラクター力と当社のコンテンツ制作力の融合で、世界への発信力を高められる」と述べた。処分価額は17日終値に対して6.4%のディスカウント。

一連の取引で自己株式が売り出されるため、調整後EPSが4.6%ほど希薄化される見通しだ。26年5月期(今期)のQUICKコンセンサス(3社)ベースの予想EPSは79.8円から76.3円に切り下がる。市場予想ベースのPERは23.4倍から24.5倍に押し上げられる。また希薄化に伴って主要株主の比率も異動する。日本テレビ(9404)と電通G(4324)の所有割合は10.3%から9.8%に、NTTドコモは5.2%から4.9%に減少する。なお、サンリオはNTTドコモと同一の4.9%にあたる100.8万株を所有することになる。

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